
ソロキャンプではどんな料理・調理をするのか
こんにちは、こんたろです。
今回はソロキャンプ中の料理・調理についてです。
癒しの調理、その理由
料理とは、食材の準備から調理方法の選定、出来上がった食事そのものまでを指します。調理とは作る手段、食事までの過程と考えます。
今回は特に「調理」にフォーカスを当てたいと思います。
つまり、出来上がったものではなく、作る過程のことです。
今回のタイトルにもありますが、当ブログではソロキャンプの「癒しの調理」を推奨します。
どういう意味か、よくわかりませんよね。
説明します。
ソロキャンプでは普通1泊しますので、当然食事が必要です。
キャンプ場にはレストランなどありませんので、食事は自分で用意することになります。
「どうせなら美味しいものを作ろうか」となりますが、出来上がった料理が美味しいだけでは、ソロキャンプでわざわざ面倒な料理を作ろうという意欲が湧きません。
だって、美味しい料理が食べたいならちょっといいお店行けばいいじゃないですか。キャンプ代と変わらないくらいですよ。
あるいは仲の良い友達や家族で、団らんしながら食べるほうが美味しいし楽しいでしょう。
ソロキャンプで料理をする意味。
それはソロキャンプをする意味と同義です。
つまり「癒し」の手段ということ。
大勢のにぎやかな楽しい食事と違い、食事にも自然や自分と向き合うような「癒し」を求めよう。
そのための方法を「ソロキャンプの癒しの調理」としよう。
そういうことです。
あなたは一人暮らしをしたことはありますか?
突然なんの話だ、と思うかもしれませんね。
自分のためだけに料理を作ること、それを毎日続けること。
とても疲れる「作業」に思えて、次第に自炊しなくなってしまった、という経験があるのではないでしょうか。
あるいは、家族のために、といって毎日毎日食事を作る。
最初は家族が「おいしい!」と言ってくれてうれしかったのに、なんだか当たり前になって「ごちそうさま」すら言われない。
料理作るの好きだったのにな。
自分のためだけに、あるいは誰かのためだけに作るって、なんだか虚しいな、という辛い思いをしませんでしたか?
料理に限らず、「何かのために」という行為は見返りが必要です。
自分のために、家族のために。
「けっこう美味しかったな」「自炊は達成感あるな」「安く済んだな」あるいは「ごはんつくってくれてありがとう」「またつくってね」といった達成感や言葉、態度。
そういうものって、慣れると足りなくなるのです。足りない状態では、次第に辛くなって当たり前なのです。
ソロキャンプの調理では、そんなことはありません。
なぜなら、ソロキャンプの調理は作業そのものが楽しいからです。
遊びであり、試練でもあり、アイデアであり、スペシャル感がある、すなわち「癒し」があるからです。
料理としては焦げたり煮えなかったりして失敗することもあります。(特に白米!)
それでも、調理を通して「癒し」を得るから、また次もやろう、今度はもうちょっとうまくやろう、と思えるのではないでしょうか。
今回の「癒し」は、調理という作業の中で生まれるものです。
不慣れなことに挑戦すること、達成感を得ること、工夫を試みること。新しい道具を使うこと。未知を既知にする行為。
ソロキャンプ中は余計な刺激が無いぶん、自身の感覚が研ぎ澄まされます。穏やかに流れる時間の中で肉の焼ける音を聞くということ。シチューの鍋をゆっくりとかき混ぜる感触。いろんなことが新鮮に感じられるのです。
それらがすべて「癒し」として自身に入ってくる。
これが「ソロキャンプの癒しの調理」です。
前置きが長くなりましたが、具体的な話に進みましょう。
焚き火を使って調理する
ソロキャンプの華、焚き火とのコラボです。
焚き火を熱源に、ロストル(頑丈な網)などを使ってスキレットやダッチオーブンを置いて調理することができます。あるいはトライポッド(焚き火の上からチェーンなどをおろすための支持棒)からダッチオーブンを吊るして煮込み調理をしてもいいですね。薪の上に直接置くのは失敗の元なので、できれば避けましょう。
火力調整は難しいので、距離で行います。近ければ強火、離せば弱火に、という感じですね。
焚き火調理はキャンプ以外で行うことがまずありませんので、とてもやりがいがあります。ロマンがありますね。最初のソロキャンプから挑戦してみるのもおすすめです。
少し準備が大変かもしれませんが、道具さえあれば大丈夫ですよ。
焚き火自体の効果もあり、最も癒しを得られる調理方法です。
炭火を使って調理する
アウトドア調理の定番中の定番、炭火を使った調理方法です。
焚き火と違い、あまり炎を出さずに遠赤外線で焼きます。煤(すす)も出にくいので、食材をそのまま焼くことが可能です。
肉や野菜、魚、きのこ類など、とにかく何でも焼けば美味しくなります。
火が近いとすぐに焦げてしまいます。炭をきちんと熾(おこ)して、遠赤外線でじっくり焼くようにすると焦げにくいと思います。
あとは炭の量が多い箇所と少ない箇所を分けておいて、弱火がほしいときは炭が少ないエリアに避難させます。
BBQは作業に手いっぱいになりがちで、他に何もできなくなります。ですがそれが楽しいという調理方法ですね。
焼きたてを食べながら次々と食材を焼いていく、エンドレス調理です。
ガス火(ガス調理器)を使って調理する
CB缶(カセットコンロ用のガス缶)、OD缶(アウトドア用のガス缶、寒冷地仕様のものがあり0℃付近の低温環境まで使える)をカセットコンロやシングルバーナーといった器具にセットして調理に使います。
火力調整が出来るものが多く、点火が簡単。軽くて小さいものが多いので登山をメインに活動する人がよく使います。
焚き火は焚き火、調理は調理、と分けて行う場合もガス火を使います。
焚き火調理では調理器具に煤(すす)が付きますので、それを嫌う場合もガス火ですね。
あとは、朝食では焚き火をやらない場合も多いので、そのためにもガス火は有効です。
注意点としては、スキレットやダッチオーブンが使えない器具があることと、あまりに寒い場合はガスが気化せず火がつかない(あるいは安定しない)ことがあることです。
ガスの残量もチェックしておく必要がありますね。
お湯だけで
どのような手段でも構いません、とにかく熱湯さえ用意できれば調理ができるものもあります。
インスタント食品や、レトルト食品、登山向けのフリーズドライ食品などです。
意外と、お湯を用意して注ぐだけでもキャンプ場なら楽しい行為になったりします。
朝食などは手軽にできる「熱湯調理」もおすすめですよ。
キャンプ場によっては電源がありますので、電気ポットで湯沸かしするなら火を使うことすら不要です。すごい。
調理しない
まさかの。
何もしない。
例えばチーズや乾物、ナッツ類、お菓子、パン、生野菜、持参した調理済みの料理(ただし冷えている)などですね。
調理そのものを嫌悪するほどの人であれば、無理に調理を楽しもうなどとはすすめません。別のことでソロキャンプを楽しんでください。
「何もしないこと」そのものは休息であって癒しにはなりませんが、「何もせず焚き火をながめる」なら癒しになります。
調理の手間を省いて、他のことに集中するという選択はもちろんありですね。
それでは、それぞれの調理方法に適した調理器具や料理について、みていきましょう。
焚き火調理なら鋳鉄製品がおすすめ
焚き火は煤(すす)が出ますので、調理器具が真っ黒になります。
また、火力のバラつきも大きいので、熱容量が大きく温度ムラが起こりにくい鉄でできたものが良いです。
スキレット・ダッチオーブン
元から真っ黒で、熱容量の大きな鉄で出来た調理器具といえば、もうこれに決まりですね。
鉄フライパンであるスキレット、鉄ナベであるダッチオーブンです。
ロッジ(LODGE) スキレット&スキレットカバーセット 6-1/2インチ(L3SK3&L3SC3セット)
どちらも同じ鋳鉄製ですので、とても重たいのが難点ですね・・・。
選ぶ基準としては、どちらも蓋があると便利です。ソロ専用にするなら小さい方が軽いしいいです。ダッチオーブンの場合は吊るすためのワイヤーが付いたものが良いと思います。
シーズニング、お手入れ方法
※製品によって処理が不要な場合があります。まずは取扱説明書をご確認ください。
鋳鉄製品は表面が鉄むき出しになっているものがほとんどです。
鉄はそのままだと水分によって錆びますので、新品のときは防錆処理をしてあります。
まずはその防錆処理を落とす必要がありますが、簡単です。
洗剤とお湯でしっかり洗うだけ。洗剤を使うのは今回だけですので、しっかり洗いましょう。
その後はシーズニングという、油をなじませる処理をしていきます。
方法はいくつかあるので調べてみてほしいのですが、簡単にいうと・・・
空焼き → 自然冷却 → 食用油を塗る → 空焼き
の繰り返しです。
最後に、いらない野菜くずなどを焼いて汚れや余計な油を移して終了。
調理前には水かお湯で軽く洗えばオッケイです。
スキレットの場合、調理前には食用油をひいてくださいね。食材が焦げ付きますから。
調理後のお手入れは、お湯とたわしで洗ってください。洗剤は使わないように。乾いたら少し火にかけて残った水分を飛ばし、食用油を薄く塗って、新聞紙などでくるんで保管します。
何度か調理を繰り返すと、油がなじんで焦げ付きにくくなります。そこまでいけば、油を使わずに焼くこともできますよ。
焚き火調理の例
スキレットではこんな料理が作れます。
・目玉焼き
・焼きソーセージ
・豚生姜焼き
・チーズタッカルビ
・焼きそば
・焼き餃子
・アヒージョ
基本的にフライパンで作れるものは何でもいけますが、フライパンで作るよりも美味しくなりますよ。
ダッチオーブンならこんな料理がいいですね。
・ローストビーフ
・カレー
・ポトフ
・シチュー
・角煮
・牛すじ煮込み
・チキングリル
とにかく高温高圧、遠赤外線まで手伝って芯まで煮込むことができます。ローストビーフはロストルという網が必要なのと、途中で肉を出したりと少し手間がかかりますがキャンプならではの料理です。
煮込み料理は入れて火にかけるだけの簡単調理で、抜群に美味しい料理が出来上がりますよ。
炭火調理ならBBQがおすすめ
炭火焼きをするなら、BBQコンロを使いましょう。焚き火台と兼用になったものがほとんどです。
BBQに使えるツール
BBQコンロは焼き網がセットになったものが多いので、それだけでもBBQを楽しむことは可能です。
ここでは、よりBBQを楽しむための便利な追加アイテムを紹介します。
アルミホイル …野菜などをアルミホイルで包んで、炭火の中に放り込むと蒸し焼き野菜が作れます。野菜のもつ水分だけでジューシーな甘みを引き出すことができます。
アルミなべ …アルミホイルをプレスしたような使い捨てのナベです。小さいものを用意しておけば、バター焼きやチーズフォンデュが楽しめます。
串 …100均にあるようなステンレス製の串が便利です。野菜や肉、ウインナー、貝、きのこなどを串で焼くと簡単に焼くことができます。
鉄板 …網では焼けない麺類や粉物を焼く道具。専用鉄板があるBBQコンロもあります。
ロストル …強度のある網。BBQ用ではなく、上にスキレットやダッチオーブンを載せることが出来ます。焚き火調理を炭火でやるというわけですね。
ちなみに、ダッチオーブンの蓋の上に炭火を置くと、更に熱が回ってオーブン調理と同じことができます。
お手入れ
BBQコンロと網は油で固まった灰がこびりついて、けっこう悲惨な感じになります。なかなか取れないので、現地では軽くキッチンペーパーで拭くくらいにして(キャンプ場によってはBBQコンロや網を洗ってはいけない場合もあるほどです)、帰ってから洗剤とたわしを使ってお湯でガシガシ洗いましょう。
串、鉄板、ロストルなどは比較的洗いやすいと思いますので、現地でも大丈夫だと思います。
アルミホイルとアルミなべは使い捨てですので、キャンプ場のルールに従って廃棄しましょう。
炭火調理の例
食材をそのまま焼く料理が得意です。
・焼き肉
・焼き魚
・焼き野菜
・海鮮焼き
・焼き鳥
・焼きそば
・お好み焼き
・ホタテのバター焼き
・ステーキ
・包み焼きハンバーグ
まだまだ工夫次第でいろんなものが作れます。
炭火はほんとうに食材を美味しくしてくれるので、美味しさを求めるなら炭火が一番じゃないかと思います。
ガス火調理ならアルミ製品で
ご家庭の調理台とほとんど変わらない調理ができるので、炒め物から煮込みまで、かなり幅広い料理が作れます。揚げ物だけは危険なのでやめましょう。
ガス調理器具はまだ記事を出していませんので、一例をあげておきます。
アルミクッカー、コッヘル
家庭から持ち出してきたフッ素加工のフライパンでも全然使えますが、一応キャンプっぽいものとして紹介するのは、アルミ製のクッカーです。コッヘルとも呼ばれます。
たとえばこんな製品です。重ねてコンパクトに収納できるものが多いです。
スノーピーク(snow peak) アルミパーソナルクッカーセット SCS-020
あるいは「飯盒(はんごう)」としてキャンパーに人気のこちら。トランギアのメスティン。
trangia(トランギア) メスティン TR-210
他にもいろいろありますが、安くて軽いものが多いですね。
空焼きすると穴が開きますので、かならず食材や水を入れてから火にかけましょう。
お手入れ方法
洗剤とスポンジで洗います。ザ・普通。
ガス火調理の例
アルミクッカーを使った料理です。
・ごはん(白米)
・肉野菜炒め
・親子丼
・パスタ
・アクアパッツァ
・カレー
・きのこソテー
・味噌汁
・回鍋肉
何でも作れ過ぎて、逆にあんまり思いつかない・・・。
お湯だけで簡単調理
沸かす方法はともかく、お湯を用意できれば料理ができます。
やかん、ナベ、電気ポット
お湯を注ぐならやかんか電気ポット、レトルトパウチを暖めるならナベがいいですね。
やかんと言えばストーブの上に置いてあるイメージですが、実はけっこう危ないので、ガス火で温めるのが良いと思います。焚き火とトライポットがあるなら、そちらで温めても良いですね。直火対応のケトルが必要です。
ナベはガス火調理であげたアルミクッカーが最適です。
もし電気があるなら、ぜひ使いましょう。
電気ケトルや電気ポットが便利です。
[山善] 電気ケトル 電気ポット 0.8L (温度設定機能/保温機能/空焚き防止機能) ブラック
お湯だけ調理の例
・インスタントコーヒー
・カップラーメン
・アルファ米各種
・レトルトカレー
・インスタントスープ
色々ありますが、メイン料理以外にも飲み物やスープを作ることが出来るのでお湯は大事です。他の調理方法と組み合わせてお湯を作る環境を用意しておくといいですね。
まとめ
まとめます。
・調理は癒し
・いろんな調理方法がある
・焚き火調理は癒しMAX
・炭火調理は美味さMAX
・ガス火調理は手軽さMAX
・お湯は大事
以上です。